Web広告運用代行の費用は、媒体へ支払う広告費だけではありません。代理店へ支払う運用手数料、初期設定費、バナー・動画・LPの制作費、計測環境の整備費まで含めて考える必要があります。公開料金では「広告費の20%」という方式が複数見られますが、最低手数料、契約期間、対応媒体、制作物の範囲は会社ごとに異なります。
比較すべきなのは手数料率だけではなく、広告費を含む総額と、商談・売上まで改善できる業務範囲です。
この記事では、検索広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告を横断して、運用代行の費用構造、公開料金の比較、予算の決め方、見積書の確認項目、代理店の選び方を解説します。料金・契約条件は各社の公式ページを2026年9月24日に確認しました。掲載内容は市場平均を保証するものではないため、発注時は必ず最新の見積もりを取得してください。
Web広告運用代行で依頼できる業務

Web広告運用代行は、広告管理画面の操作だけを任せるサービスではありません。成果を出すには、事業目標の整理、媒体選定、配信設計、広告素材の準備、計測、改善、営業への引き継ぎまでをつなぐ必要があります。どこまで代理店へ任せ、どこから自社で担うかによって必要な費用は変わります。
配信前の戦略設計
最初に、売上、問い合わせ、資料請求、店舗来訪など、広告で目指す成果を決めます。対象顧客、商材単価、検討期間、営業体制も整理し、検索広告、SNS広告、ディスプレイ広告、動画広告の役割を分けます。検索広告は今まさに情報を探す人へ届きやすく、SNS広告やディスプレイ広告は潜在層への認知や比較検討のきっかけづくりに向きます。媒体の特徴を無視して同じ広告文を配信すると、クリックは増えても問い合わせにつながりません。
戦略設計に市場調査、競合調査、顧客インタビュー、過去データの分析が含まれるかを確認してください。「初期設定」という名称でも、アカウント開設とタグ設置だけの場合と、顧客理解から配信計画まで含む場合があります。費用を比べるときは作業名ではなく、提出される成果物を確認します。
広告アカウントとキャンペーンの構築
媒体アカウント、キャンペーン、広告グループ、キーワード、配信地域、年齢、興味関心、除外条件、予算配分を設定します。Google広告では、広告をクリックした場合に課金される検索広告のほか、ディスプレイ、動画、ショッピングなど複数の形式があります。Meta広告ではFacebookとInstagramを横断して配信できますが、検索広告と同じ考え方では運用できません。
アカウントは原則として広告主名義で作り、代理店へ必要な権限を付与する形が望ましいです。代理店名義のアカウントだけで運用すると、契約終了時に配信履歴や学習データを引き継げない場合があります。契約前に所有者、管理者権限、支払い方法、解約後のデータ提供を確認してください。
日々の運用と改善
配信後は、予算の消化、検索語句、入札、配信面、オーディエンス、広告クリエイティブを確認します。成果の悪い条件を止めるだけではなく、なぜ悪いのかを仮説にし、新しい広告文、画像、動画、LPの見出しへ反映します。媒体の自動最適化を利用する場合も、最適化対象のコンバージョンが事業成果と一致しているかを人が管理する必要があります。
月次レポートの提出だけでは改善になりません。誰が、いつ、どの仮説で、何を変更し、結果をいつ評価するかまで決めます。日次で数値を確認する体制と、週次・月次で事業側と意思決定する体制は分けて考えると運用しやすくなります。
クリエイティブとLPの制作
広告文、バナー、縦型動画、商品画像、LPは、運用手数料に含まれない場合があります。SNS広告では素材の鮮度が成果に影響しやすく、複数案の継続制作が必要です。検索広告でも、遷移先のページが広告文の約束に答えていなければ、問い合わせ率は上がりません。
見積書では、毎月作るバナーや動画の本数、修正回数、撮影の有無、原稿作成、LP改修の範囲を明記します。制作物の著作権、編集データ、二次利用、契約終了後の利用可否も確認してください。LP制作と広告運用を一括依頼する費用では、ページ制作を含む場合の比較方法も解説しています。
計測と営業データの接続
広告管理画面のコンバージョン数と、実際の商談・受注は同じではありません。フォーム送信、電話、予約、購入などの計測に加え、重複、営業目的、対象外地域、既存顧客を除いた有効問い合わせを記録します。BtoBでは問い合わせから受注まで長いため、CRMやSFAへ流入元を残し、商談率と受注率まで確認することが重要です。
運用代行の価値は管理画面の操作量ではなく、配信・クリエイティブ・LP・営業データをつないで改善できるかで決まります。
Web広告運用代行の費用内訳

費用は「広告媒体費」「初期費用」「運用手数料」「制作費」「計測・ツール費」に分けます。月額だけを比べると、初月の設定費や追加制作費を見落とします。最低でも初月、3か月、6か月の総額を試算してください。
広告媒体費
広告媒体費はGoogle、Yahoo!、Meta、LINE、TikTokなどの媒体へ支払う実費です。Google広告の公式案内では、広告主が1日の平均予算を設定でき、検索広告は利用者が広告をクリックした場合に課金される仕組みが説明されています。広告費は代理店の手数料とは別です。「月額60万円」という見積もりが媒体費50万円と手数料10万円なのか、媒体費60万円に手数料が加算されるのかを確認します。
広告費の適正額は業種、地域、検索需要、競合、目標件数、許容CPAによって変わります。少額から検証する場合でも、必要なクリック数やコンバージョン数を得られないほど予算を分散すると、媒体ごとの判断ができません。複数媒体を同時に始めるより、顧客が近い媒体へ集中し、検証可能な母数を作る方法もあります。
初期費用
初期費用には、ヒアリング、調査、アカウント設計、キーワード選定、広告文作成、タグ設定、レポート環境の構築などが含まれます。公開料金では0円の会社もあれば、定額を設定する会社もあります。無料だから得とは限りません。月額の最低手数料や契約期間に含めて回収する設計もあるためです。
既存アカウントを引き継ぐ場合は、新規構築よりも監査や再設計に工数がかかることがあります。過去の変更履歴、コンバージョン設定、請求情報、リンク先、除外リストを点検する作業が見積もりに含まれるか確認してください。
運用手数料
運用手数料には、広告費に一定率を掛ける料率型、月額固定型、成果に応じる成果報酬型、これらを組み合わせる方式があります。公開料金では広告費の20%を採用する例が複数ありますが、最低手数料が3万円、10万円、20万円など会社によって異なります。広告費が少ないほど、実質的な手数料率が高くなることがあります。
料率型は予算増額に伴って手数料も上がるため、増えた工数や成果との関係を確認します。固定型は予算の見通しを立てやすい一方、媒体数や制作本数に上限があるかもしれません。成果報酬型では「成果」の定義、重複・無効リードの扱い、上限額を明文化します。
クリエイティブ・LP制作費
検索広告の広告文、ディスプレイのバナー、SNSの画像・動画、LPの制作・改修は別料金になりやすい項目です。撮影、出演者、スタジオ、音源、翻訳、薬機法などの表現確認が必要なら追加費用が発生します。制作本数が少ないプランでは、広告の反応が落ちても新しい案を試せないことがあります。
月額に何案含まれるか、追加1案の単価、サイズ展開、動画の長さ、修正回数、素材支給の条件をそろえて比較します。制作物を納品して終わるのか、配信結果を次の制作へ戻すところまで含むのかも重要です。
計測・外部ツール・会議の費用
アクセス解析、タグ管理、ヒートマップ、コールトラッキング、CRM連携、ダッシュボードなどに利用料や設定費がかかる場合があります。月次会議は含むが週次会議は別、チャット対応は回数制限ありという契約もあります。レポート作成へ費用を使いすぎ、改善の実装予算が残らない状態は避けてください。
総額は「媒体費+初期費用+運用手数料+制作費+計測費」で計算し、税区分と契約期間もそろえて比較します。
運用代行会社の公開料金を比較

以下は、公式サイトで料金と条件を確認できた会社の例です。各社の対象媒体、最低予算、制作範囲、契約条件が違うため、単純な最安値ランキングではありません。自社の依頼範囲に合わせ、正式な見積もりを取得してください。
| 会社・サービス名 | 公開料金・条件 | 向いている企業 | 公式URL |
|---|---|---|---|
| ASUE株式会社 | 初期費用0円、運用手数料は広告費の20%、最低手数料10万円。広告費50万円以下は初月10万円、最低出稿期間3か月と記載 | 検索広告とSNS広告を横断し、クラウドレポートで確認したい企業 | ASUE リスティング広告運用代行 |
| 株式会社ジオコード | 月額運用予算全体の20%を手数料とし、最低3か月以上の継続を条件として記載 | 継続運用を前提に検索・ディスプレイ等を相談したい企業 | ジオコード 料金 |
| GMOペイメントゲートウェイ | 初期費用0円、手数料は広告費の20%、最低手数料3万円(税抜)。予算帯で報告内容が異なる | 少額予算から料金と提供範囲を把握して始めたい企業 | 広告運用代行サービスBASIC |
| ゴーメディア合同会社 | 広告運用額15万円以上は20%、15万円未満は一律3万円。初期費用不要、契約1か月からと記載 | 小規模予算で短い契約単位から試したい企業 | ゴーメディア Web広告運用代行 |
| 株式会社アドカル | 手数料は広告費の20%、初期費用5万円。LP・バナー制作は別見積もり、最低予算は月30万円と記載 | 制作と広告を分け、運用範囲を明確にしたい企業 | アドカル Web広告運用代行 |
| サイバーホルン株式会社 | 初期費用・アカウント構築0円、手数料20%、最低出稿予算15万円、最低手数料3万円(1媒体) | SNS広告を含め、媒体別の少額テストを相談したい企業 | サイバーホルン SNS広告運用 |
料金と条件は2026年9月24日に各社公式サイトで確認しました。価格は税区分、媒体数、商材数、広告予算、制作物、契約期間で変わります。比較表の数字だけで発注せず、問い合わせ時に最新条件を確認してください。
手数料20%でも総額は違う
広告費50万円に手数料20%なら、単純計算では月10万円の手数料です。しかし、最低手数料、初月設定費、バナー制作費、媒体ごとの追加費、レポート費、税の扱いにより支払額は変わります。広告費を代理店へ前払いする契約と、自社カードで媒体へ直接払う契約でも資金繰りが異なります。
業務範囲が違えば価格は比較できない
同じ20%でも、月次レポートだけの会社と、週次改善、広告素材制作、LP提案、営業データ分析まで行う会社では提供価値が違います。一方、サービス範囲が広くても、自社が必要としない会議や制作が含まれるなら過剰です。必要な成果物を先に定義し、同じ条件で見積もりを依頼してください。
公開料金がない会社の扱い
要問い合わせの会社を候補から外す必要はありません。難易度の高い商材、海外配信、大規模EC、複数拠点などは個別設計が合理的です。ただし、見積もりの根拠、工数、媒体費との区分、追加料金の条件を説明してもらいます。公開料金の会社も、実際の契約では条件が変わる可能性があります。
公開料金は候補を絞る材料です。最終判断は、同じ依頼書に対する総額と支援範囲で行います。
検索・SNS・ディスプレイ広告の費用設計

Web広告は媒体ごとに課金の考え方、必要な素材、改善方法が異なります。すべてへ均等に予算を配るのではなく、顧客の検討段階と事業目標に合わせて設計します。
検索広告は顕在需要と検索量を見る
検索広告は、利用者が入力した検索語句に応じて表示されます。Google広告の公式説明では、キーワード、広告文、日予算を設定し、クリック時に課金される仕組みが案内されています。すでに課題を認識している人へ届きやすい一方、検索数が少ない商材では配信量が限られます。競争の激しいキーワードへ集中するとクリック単価が高くなることもあります。
予算設計では、指名語、サービス名、課題語、比較語を分け、検索意図とLPを対応させます。対象外の検索語句を除外し、電話やフォームの成果を計測します。広告文だけでなく、遷移先で料金、実績、選び方など検索者の疑問に答えられるか確認してください。
SNS広告は素材制作の継続費を見る
Meta、LINE、TikTokなどのSNS広告は、興味関心や行動などを基に配信し、潜在層へ接触しやすい媒体です。検索していない人の画面へ表示されるため、最初の数秒や一枚で課題と価値を伝える必要があります。静止画、縦型動画、カルーセルなど複数形式を試す場合、運用費に加えて素材制作費を確保します。
同じ画像を長期間使い続けると反応が落ちる場合があります。毎月何本作るか、撮影が必要か、出演者の権利をどう扱うかを決めます。クリック率だけを追い、誇張した表現で質の低い流入を増やさないよう、問い合わせ後の営業評価まで確認してください。
ディスプレイ広告は配信面と接触回数を管理する
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリなど広い配信面へ画像・動画を表示できます。認知拡大、過去訪問者への再接触、特定の関心層への配信などに使えます。ただし、表示回数が多いだけでは売上への貢献を判断できません。配信面、ユーザー層、接触回数、クリック後の行動を見ます。
不適切な配信面や成果の低いアプリを除外し、ブランドセーフティも確認します。再訪問者への広告では、同じ人へ過度に表示しない頻度設定や、購入済みユーザーの除外も必要です。運用代行の見積もりに配信面監査や除外作業が含まれるか確認してください。
動画広告は制作と検証の単位を決める
動画は認知や理解に役立ちますが、一本を高額制作して終わると検証しにくくなります。冒頭、訴求、尺、CTAを分け、複数案を作れる設計が必要です。横長、正方形、縦型など媒体に合わせた展開費も考えます。既存素材を編集する場合と新規撮影では費用が大きく異なります。
媒体横断では重複と役割を整理する
検索広告で獲得し、SNSや動画で認知を作り、ディスプレイで再訪を促すなど、媒体は役割を分けます。同じ人が複数広告へ接触するため、各媒体の管理画面で計上されたコンバージョンを単純に足すと重複する可能性があります。分析ツールとCRMを使い、最初の接点、最後の接点、商談化を分けて確認します。
媒体は流行で選ばず、顧客の検討段階、必要な素材、測定できる成果から予算を割り当てます。
自社に合う広告予算の決め方

「月いくらが相場か」だけでは適正予算を決められません。目標件数から逆算し、失敗しても事業へ大きな影響がない検証予算を設定します。広告費と運用・制作費を分け、継続可能な総額で考えてください。
目標CPAを事業数値から逆算する
受注一件から得られる粗利、問い合わせから商談になる割合、商談から受注する割合を使い、許容できる問い合わせ単価を計算します。例えば受注一件の粗利が60万円、商談からの受注率が25%、問い合わせから商談になる割合が50%なら、単純計算で問い合わせ8件につき受注一件です。このとき広告関連費の上限をどこへ置くかは、固定費、継続売上、回収期間も含めて経営判断します。
媒体費だけでCPAを計算すると、運用手数料や制作費を見落とします。「媒体費÷CV数」と「広告関連総額÷有効問い合わせ数」の両方を持つと、運用現場と経営の会話をそろえやすくなります。
必要な母数を確保する
月に問い合わせ一件だけの予算では、広告文AとBの差を判断しにくくなります。過去実績や業界の参考値がある場合も、自社の商材、LP、営業対応によって結果は変わります。最初は仮のクリック単価とCV率を置き、必要クリック数と広告費を試算します。配信後は実績値に置き換えます。
少額予算なら媒体や地域を絞り、検証したい仮説を一つにします。検索広告、Meta広告、動画広告へ少しずつ配るより、優先度の高い一媒体で計測と改善の流れを作るほうが判断しやすい場合があります。
手数料と制作費のバランスを見る
媒体費を削りすぎるとデータが集まらず、制作費を削りすぎると新しい訴求を試せません。一方、レポートや会議へ費用をかけすぎても実装が進みません。予算表には媒体費、運用、素材制作、LP改善、計測、社内工数を入れます。月ごとの固定費と、必要なときだけ発生する変動費を分けてください。
3か月と6か月の判断条件を決める
広告は開始直後に設定ミスを直す段階、仮説を比較する段階、成果を拡大する段階があります。ただし「学習中」という言葉だけで長期間の赤字を受け入れる必要はありません。配信前に、いつ、どの指標で、継続・変更・停止を判断するか決めます。
1か月目は計測と検索語・配信面の健全性、2〜3か月目は有効問い合わせと仮説、4〜6か月目は商談・受注と拡大可能性を見るなど、事業に合う節目を設定します。母数が少ない場合は期間を延ばすのではなく、対象や媒体の見直しも検討してください。
予算は「払える月額」ではなく、目標CPA、必要な母数、改善に使える期間から逆算します。
見積書と契約書で確認する項目

見積書は金額表であると同時に、代理店が何をするかを定める仕様書です。曖昧な「運用一式」を残さず、作業、成果物、頻度、責任者を具体化します。
費用と支払いの区分
媒体費、手数料、初期費用、制作費、ツール費、税を分けます。媒体費を自社が直接払うか、代理店へ前払いするか、未消化分をどう扱うかも確認します。料率型では手数料を媒体費の外掛けで計算するか、請求総額の内側で計算するかにより金額が変わります。予算変更時の承認方法と締切も決めてください。
対応媒体・商材・アカウント数
GoogleとMetaの二媒体を含むのか、一媒体追加ごとに費用がかかるのかを確認します。商品、地域、店舗、言語、ブランドごとにアカウントやキャンペーンが増えると工数も増えます。契約後に新商材を追加した場合の料金条件を明記します。
クリエイティブとLPの範囲
広告文、画像、動画を月何本作るか、修正は何回か、素材を誰が用意するかを決めます。LPは提案だけか、原稿・デザイン・実装まで含むかを分けます。法務確認や媒体審査で修正が必要になった場合の追加費用も確認します。制作物の利用権と元データの納品条件も契約書へ入れてください。
レポート・会議・改善実装
レポートの頻度、項目、提出日、会議時間、参加者を決めます。報告書に改善提案があっても、実装が別料金なら予算へ追加します。数値が悪いときだけではなく、成果が良いときに予算を増やす条件も合意します。代理店担当者の変更、連絡時間、緊急停止の方法も実務上重要です。
データ・アカウント・解約
広告アカウント、分析ツール、タグ管理、LP、ドメイン、電話番号の所有者を確認します。自社が管理者権限を持ち、契約終了後も履歴へアクセスできる状態を基本にします。最低契約期間、自動更新、解約通知期限、違約金、引き継ぎ支援、データ保存期間を確認します。
成果の定義と責任範囲
コンバージョン、有効問い合わせ、商談、受注の定義を共有します。広告代理店だけで受注を保証することはできませんが、広告成果と営業成果を切り離してよいわけでもありません。代理店が見る指標、自社が返す営業情報、改善会議で判断する内容を決めます。成果報酬の場合は、不正・重複・対象外の扱いを明文化してください。
契約前にアカウント所有、追加料金、解約後の引き継ぎまで決めると、代理店変更時の損失を減らせます。
広告運用代理店の選び方

代理店は、認定バッジや受賞歴だけで選ばず、自社の目標と体制に合うかを確認します。提案資料の見栄えより、問いの深さ、数値の定義、実装の速さ、説明責任を見てください。
自社に近い案件のプロセスを聞く
業種だけでなく、顧客単価、検討期間、地域、営業体制、広告予算が近い事例を確認します。「CPAを半減した」という結果だけでなく、開始時の課題、変更した設定・広告・LP、必要だった期間、顧客側の作業を聞きます。匿名事例でも、担当範囲と判断理由を具体的に説明できるかが重要です。
媒体横断の役割設計を見る
複数媒体を扱えることと、適切に使い分けられることは別です。提案された媒体ごとに、対象顧客、役割、予算、素材、指標、停止条件を説明してもらいます。すべての媒体を最初から契約させる提案より、優先順位と始めない理由まで示す提案のほうが判断しやすいです。
運用担当者と制作担当者の連携を見る
営業担当だけでなく、実際の運用担当者と面談します。一人が何社を担当するか、休暇・退職時の引き継ぎ、クリエイティブ担当との会議、LP変更の速度を確認してください。担当者の経験年数だけでなく、事業理解のためにどんな質問をするかを見ます。
レポートのサンプルと改善履歴を見る
管理画面の数字を並べただけのレポートでは、意思決定に使えません。媒体費、CV、有効問い合わせ、商談、変更内容、次の仮説がつながっているかを確認します。過去の改善履歴を見せてもらい、成果が悪いときに原因をどう切り分けたかを聞きます。
自社の体制との相性を見る
代理店が優秀でも、素材や承認が遅れれば改善できません。自社に広告責任者、営業データの共有担当、制作物の承認者を置けるかを考えます。少人数なら窓口が一本化された会社、大規模組織なら専門チームと権限設計がある会社が向く場合があります。
3社程度へ同じ依頼書を渡す
予算、媒体、商材、目標、制作本数、契約期間を同じにして比較します。料金だけでなく、課題理解、計測設計、改善の優先順位、リスク説明を評価表にします。自社に合わない施策を断り、必要な準備を指摘できる会社は信頼性を判断する材料になります。
良い代理店は成果を約束するだけでなく、不確実性、必要なデータ、自社が担う仕事まで説明します。
発注から改善までの実行手順

広告運用は契約して終わりではありません。発注前の整理、配信前の計測、初期テスト、営業評価、継続改善を一つの流れにします。
1. 事業目標と対象顧客を定義する
売上、粗利、受注件数、商談件数など、広告の上位目標を決めます。対象顧客の業種、規模、地域、課題、決裁者、検討時期も整理します。既存顧客の受注理由と失注理由を確認し、広告で約束できる価値を絞ります。
2. 過去データと資産を集める
過去の広告アカウント、アクセス解析、検索語句、LP、バナー、動画、問い合わせ記録、商談結果を共有します。数値の定義が違う場合は統一します。使える顧客事例、写真、ロゴ、表現上の制約もまとめてください。
3. 媒体・予算・仮説を決める
顧客の検討段階に合わせて媒体を選び、媒体ごとの役割と予算を決めます。誰に、何を伝え、どのページへ誘導し、何を成果とするかを一枚に整理します。複数媒体を使う場合も、最初の検証仮説を増やしすぎないようにします。
4. 配信前に計測をテストする
フォーム、電話、予約、購入などの成果を実機で確認します。広告をクリックし、ページへ到達し、送信し、営業へ通知され、分析ツールと広告管理画面へ記録される一連の流れをテストしてください。個人情報をURLへ含めず、同意・プライバシー表示も確認します。
5. 小さく配信し、異常を直す
開始直後は、予算超過、対象外地域、無関係な検索語、誤った配信面、リンク切れ、計測漏れを優先して確認します。短期のCPAだけで結論を出さず、データが正しく集まっているかを確かめます。明らかな無駄は早く止め、仮説の評価に必要な範囲は残します。
6. 営業評価を運用へ戻す
問い合わせを有効・対象外・重複・営業目的などに分類し、商談・受注を紐付けます。検索語や広告ごとに質を確認し、安い問い合わせより良い商談を増やします。営業担当の感想だけでなく、判定基準をそろえて記録します。
7. 一度に一つの大きな仮説を検証する
広告文、配信対象、LP、フォームを同時に変えると、何が効いたか分かりません。変更内容、期待する指標、評価日を記録します。データが少ない場合は、顧客への聞き取りや商談内容も使い、数字だけで断定しません。
8. 継続・増額・縮小・停止を判断する
有効問い合わせ単価、商談単価、受注単価、粗利回収期間を見て判断します。成果が良い場合も、急な増額で顧客層や効率が変わる可能性があります。段階的に予算を増やし、限界を確認します。悪い場合は、媒体、訴求、LP、商品、営業のどこに問題があるかを分けてください。
広告管理画面だけで改善せず、問い合わせの質と受注結果を毎月運用へ戻す仕組みを作ります。
失敗しやすい契約と改善策
運用代行の失敗は、担当者の能力だけでなく、契約と情報共有の設計から起こります。よくある問題を発注前に確認してください。
手数料の安さだけで選ぶ
安い手数料でも、初期設計、制作、LP改善、計測、会議がすべて別料金なら総額は高くなる場合があります。逆に、必要のない業務を含む高額プランも適切ではありません。比較依頼書を作り、必要業務の総額を見ます。
媒体費と手数料を混同する
広告費50万円という言葉が、媒体へ50万円使う意味なのか、手数料込みの請求総額なのかを確認します。請求方式が違う見積もりを並べると、実際の配信額に差が出ます。媒体費、手数料、税を別行にしてください。
アカウントを代理店だけが所有する
契約終了時に過去データを引き継げず、新しい代理店で再構築が必要になる可能性があります。広告主名義のアカウントを使い、自社が管理者権限を持つことを基本にします。代理店名義が必要な場合は、理由と終了時のデータ提供を契約書へ書きます。
CV数だけで成果を判断する
問い合わせが増えても、対象外や営業目的ばかりなら売上につながりません。有効問い合わせ、商談、受注まで記録し、広告文や配信対象へ戻します。代理店に営業情報を渡さないまま「質が悪い」とだけ伝えても改善できません。
クリエイティブを更新しない
SNSやディスプレイ広告で同じ素材を長期間使うと、対象者に見慣れられる可能性があります。制作本数と更新頻度を契約へ入れ、反応が落ちる前に次の案を用意します。ただし変更量を増やすこと自体を目的にせず、仮説に基づいて作ります。
月次レポートで仕事が止まる
数値報告だけで、次の改善が実装されない契約があります。レポートには変更内容、判断理由、次の作業、担当者、期限を含めます。会議の翌営業日までにタスクを共有し、次回までの実装状況を追います。
自社の承認が遅い
代理店から案が出ても、社内確認に数週間かかれば機会を失います。広告責任者、法務確認者、最終承認者を決め、軽微な変更の承認範囲を事前に設定します。素材と事例の提供期限も自社のタスクとして管理してください。
失敗を防ぐ鍵は、安い会社探しではなく、所有権・成果定義・改善責任を契約前に明文化することです。
よくある質問
Web広告運用代行の手数料はどのくらいですか?
公式料金では広告費の20%を採用する会社が複数あります。ただし、これは市場全体の固定相場ではありません。最低手数料、初期費用、媒体数、制作費、契約期間により総額は変わります。料率だけでなく、媒体費を含む6か月総額と支援範囲を比較してください。
少額予算でも依頼できますか?
少額対応の会社もありますが、最低手数料や最低出稿額が設定される場合があります。複数媒体へ分散すると判断に必要なデータが集まりにくいため、対象地域、商材、媒体を絞って始める方法があります。予算の絶対額より、目標と検証可能性を代理店へ相談してください。
初期費用0円の会社を選べば得ですか?
必ずしも得ではありません。初期費用を取らず、最低手数料や契約期間を設定する会社もあります。初期調査、アカウント設計、タグ設定がどこまで含まれるかを確認し、契約満了までの総額で比較します。
広告アカウントは代理店に作ってもらってよいですか?
作業を代理店へ任せることはできますが、原則として広告主が所有し、自社が管理者権限を持つ形を推奨します。解約後も配信履歴、オーディエンス、計測設定へアクセスできるかを契約前に確認してください。
検索広告とSNS広告はどちらを先に始めるべきですか?
顧客の検索需要があり、今すぐ比較している層へ届けたいなら検索広告が候補になります。まだ検索されにくい新商品や、画像・動画で価値を伝えやすい商材ではSNS広告が候補です。商材、顧客、目的、素材、予算から決め、一律の正解として扱わないでください。
何か月で成果が出ますか?
業種、予算、検索量、商材単価、LP、営業体制で変わるため、期間を保証できません。配信開始前に計測を整え、初月は異常とデータ品質を確認し、その後に有効問い合わせや商談を評価します。いつ継続・変更・停止を判断するかを先に決めることが重要です。
運用代行とインハウス運用はどちらがよいですか?
社内に時間、知識、制作体制があり、事業情報を素早く反映できるなら内製が向く場合があります。複数媒体の知見や初期構築を早く得たい場合は代行が候補です。最初は代理店へ依頼し、アカウントを自社所有にして段階的に内製化する方法もあります。
まとめ
Web広告運用代行の費用は、広告媒体費と運用手数料だけでは決まりません。初期設定、広告素材、LP、計測、会議、ツール、契約期間を含む総額で比較する必要があります。公開料金では手数料20%の例が複数ありますが、最低手数料や支援範囲は会社ごとに異なります。
検索広告、SNS広告、ディスプレイ広告、動画広告は役割が違います。顧客の検討段階と事業目標から媒体を選び、問い合わせから商談・受注までを測定してください。代理店選びでは、アカウント所有、成果定義、制作範囲、改善実装、解約後の引き継ぎを確認します。
まずは、目標件数、許容CPA、媒体費、必要な制作物、社内担当者を一枚にまとめてください。同じ条件で複数社へ見積もりを依頼すると、手数料率だけでは見えない違いを判断できます。
Web広告とLPの改善を相談する

Lostaの「LPの達人」では、広告の配信だけでなく、広告文とLPの整合、フォーム導線、計測、公開後の改善まで相談できます。広告費を使っても問い合わせや商談につながらない場合は、媒体設定だけでなく、訴求とページの構造を一緒に確認します。
現状の広告アカウント、LP、問い合わせ状況が分かれば、優先して直す箇所を整理しやすくなります。まだ配信前の場合も、媒体選定、予算、計測、制作範囲の整理から対応できます。無料相談はオンラインで受け付けています。
参考・出典
以下の公式情報を2026年9月24日に確認しました。料金・仕様・契約条件は変更されるため、発注前に各社へ最新情報を確認してください。


