営業資料や提案書を外注するとき、「1枚いくら」が最初に目に入ります。しかし、既存資料の見た目を整える仕事と、顧客課題の調査から構成・原稿・図解まで作る仕事では、購入する成果が異なります。費用はページ数だけで比較せず、誰が情報を集め、提案の筋道を作り、納品後に更新できる状態まで整えるかをそろえて比較してください。
本記事では、営業資料・提案書の外注範囲、料金体系、公式公開価格の読み方、見積もりの比較方法、依頼先の選び方、発注後の進め方、成果の測り方まで解説します。単一の「平均相場」を断定せず、異なるサービスの公開価格を条件付きで示し、見積もり判断に使える形へ整理します。営業チームに資料制作の負荷が集中している企業や、提案品質を標準化したい責任者向けの内容です。
営業資料・提案書を外注できる範囲

営業資料の外注は「スライドを作ってもらう」だけではありません。既存資料の整形、構成の見直し、原稿の作成、図解、顧客別提案への展開、運用ルールの整備まで段階があります。発注前に、社内で決めるべき内容と外部に任せる作業を分けます。
既存資料のデザイン整形
すでに内容が決まっているPowerPointなどの文字サイズ、余白、配色、図表、写真の扱いを統一する作業です。読みやすさは改善できますが、提案の論理や訴求が弱いままなら、見た目だけ整えても商談の質は変わりません。依頼時には、元データが編集できるか、ブランドガイドラインがあるか、修正したい点はどこかを渡してください。PDFしか残っていない場合、再入力や図の描き直しが必要になり、同じページ数でも費用が上がることがあります。
構成とメッセージの設計
読み手、商談段階、想定する課題に合わせ、ページの順番と主張を組み直します。会社紹介から始める資料が常に悪いわけではありませんが、相手の課題を理解する前に自社の沿革を長く説明すると、提案の目的が見えにくくなります。背景、課題、解決方法、根拠、実施体制、費用、次の行動という流れが適切かを検証します。構成だけを納品してもらい、原稿とデザインを社内で作る方法もあります。
原稿・取材・リサーチ
既存資料や営業ヒアリングをもとに文章を書く作業です。顧客事例への取材、市場情報の確認、製品担当者への確認を含むかで工数が変わります。一般的な営業表現を整えるだけなら短時間で済みますが、顧客ごとの提案内容を具体化するには内部資料と担当者の協力が必要です。機密情報や顧客名を使う場合は、掲載許可と共有方法を先に決めてください。提供されていない実績を制作会社が推測で補うことは避けます。
図解・グラフ・テンプレート
複雑な業務フロー、システム構成、費用比較を図で説明する作業です。既存の数値をグラフへ移すだけか、伝える構造を設計するかで価格が変わります。更新が多い提案書なら、毎回画像として描き直す図より、社内で編集できるテンプレートが役立ちます。ただし編集可能にするほど制作時の設計・検証が増える場合があります。納品形式と更新担当を決めてから見積もりましょう。
外部へ任せても、社内で決めること
顧客に対して何を約束するか、価格と契約条件、比較表に載せる事実、顧客事例の利用許可、最終的な営業判断は社内に残ります。制作会社は資料を編集できても、実際の提供体制や契約可能な条件を自動的には知りません。責任者を決め、確認期限と修正依頼の窓口を一本化します。営業方法そのものを見直すなら、関連する営業プロセス改善の記事も参考にしてください。
依頼範囲は「デザインだけ」「構成から」「運用まで」のどこかを最初に決めます。範囲が曖昧なままページ単価を比べても正しい判断はできません。
費用を決める内訳と公開価格の見方

制作費は、初期調査、構成、原稿、デザイン、図解、修正、納品形式、利用権などの組み合わせです。ページ単価は分かりやすい指標ですが、どの作業を含むかは会社ごとに違います。掲載価格は条件や更新時期によって変わるため、発注前に必ず各社の公式ページと見積書を確認してください。
公開価格は「その会社の条件」を表す
c-slideの営業資料作成代行は、スタンダードプランを1枚5,000円から、ハイエンドプランを1枚1万円からと公式ページに記載しています。サイトエンジンの営業資料制作は、企画構成費やページ制作費などを項目別に示し、通常制作の最低発注額を30万円からとしています。ferretソリューションの公式案内は、骨子作成、原稿、デザインを含む15ページの営業・サービス資料を30万円からとしています。これらは条件の異なる個別サービスの表示価格であり、市場全体の平均ではありません。表示の税区分、ページ数、最低発注額、原稿の有無を並べて初めて比較できます。
企画・構成費
ヒアリング、競合や顧客課題の確認、ページの台割、主張の順番を決める作業です。構成が固まっている場合は省けることもありますが、営業成果に直結する重要な工程です。安くするために削ると、完成後に「きれいだが伝わらない」資料になる可能性があります。費用だけでなく、構成案という成果物と、何回確認できるかを見ます。
原稿・取材費
原稿支給なら、制作会社は言い回しの調整だけで済む場合があります。ゼロから作る場合は、営業や顧客へのヒアリング、資料の読み込み、事実確認、著作権処理などが必要です。文字数単価で示す会社もありますが、文字数が少ないことが必ず低工数とは限りません。短く正確な見出しを書くために、長い説明を整理する作業が必要だからです。インタビュー回数と事実確認の担当を見積もりへ記載してもらいます。
ページ制作・図解費
同じ1ページでも、既存の文字を整えるページと、複雑な業務フローを新規に図解するページでは工数が違います。表紙、目次、本文テンプレート、個別図解を分けて数えると比較しやすくなります。写真、イラスト、フォント、素材の購入費が含まれるかも確認してください。外部の生成AIを使う場合は、機密データを入力しない体制と、生成物の誤字・事実確認が必要です。
修正・納品・運用費
初稿後の修正回数、原稿差し替えの範囲、納期後の対応、PowerPointなどの編集可能な元データの受け渡しで総額は変わります。PDFだけでは将来の価格変更を社内で反映できません。逆に社内で編集する予定がないなら、編集可能なテンプレート開発費をかけすぎない判断もあります。ファイルの所有権、利用可能な素材、二次利用の範囲を契約で確認します。
総額を試算する式
「総額=企画・構成費+原稿・取材費+ページ制作費×対象ページ数+図解・素材費+修正・特急・運用の追加費」で概算します。これは市場相場を示す式ではなく、複数社の見積もりを同じ条件にそろえるための枠です。既存資料20ページの整形と、新規15ページの営業資料を同じ「1枚いくら」で比較しないようにしてください。税別・税込も統一します。
公開価格の下限をそのまま予算にせず、自社の原稿状態、必要な図解、修正、納品形式を加えた総額で判断します。
ページ単価・一式・月額支援の違い

資料制作の契約には、ページ単価、一式定額、継続の月額支援などがあります。どれが安いかは、作る資料の本数、更新頻度、毎回の原稿状態によって変わります。契約方式ごとの利点と注意点を押さえましょう。
ページ単価型
既存資料の整形や、仕様が決まったページを一定数作る場合に比較しやすい方式です。ただし表紙や図解ページを同じ単価に含むか、最低ページ数があるかを確認します。内容が薄くても枚数だけ増やせば費用が上がるため、先に必要ページを整理してください。ページを削りすぎて肝心の証拠がなくなるのも避けます。
1本あたりの定額型
構成・原稿・デザインを含めて1本の資料を納品する方式です。成果物の全体像を見積もりやすい一方、対象ページ数や修正範囲を超えると追加費用が発生します。初回のヒアリングやストーリー設計が含まれるかを確認してください。営業資料の完成後に提案先ごとのカスタマイズが必要なら、その対応も別に見積もります。
月額の継続支援型
毎月複数の提案書を作る、営業資料を随時更新する企業に向く方式です。担当者が業界やサービスを理解するほど説明の手間を減らせる可能性があります。ただし、月間の上限ページ数、依頼できる内容、未使用分の取り扱い、優先対応の条件を確認します。利用が少ない月にも固定費がかかるため、直近の制作量を基に試算します。
特急・個別カスタマイズ型
商談日が迫った提案書や、大企業の特定案件向けの資料は、通常の制作枠と異なる場合があります。締め切りが短いほど確認時間も短くなり、誤記リスクが増えます。急ぎの案件こそ、どの内容を既存テンプレートから流用でき、どこを新規に作るかを分けます。納期を伝えるときは、社内承認に必要な日数を逆算して知らせます。
契約方式を選ぶ目安
一度きりの既存資料整形ならページ単価、新規の基幹資料を一から作るなら一式、毎月の提案量が安定するなら月額を検討します。ただし、契約名だけで決めず、実際に含まれる調査や修正を比較してください。同じ会社が複数のプランを持つこともあります。社内で作る場合の担当者工数と成果物の品質も含め、外注の目的が時間削減なのか、提案の質改善なのかを明確にします。
料金体系は「自社が何本、どの頻度で、どこまで作りたいか」に合わせて選びます。単価の安さだけで方式を決めないでください。
見積もりを公平に比較するチェック項目

複数社の提案を受けるなら、同じ依頼条件書を渡します。ある会社には原稿支給、別の会社には原稿作成から依頼したまま見積もりを並べても、価格差の理由は分かりません。まず何を作り、誰がどう使うかをそろえます。
| 比較項目 | 確認すること | 見落とすと起こること |
|---|---|---|
| 目的と読み手 | 初回商談、提案、稟議、展示会などどこで使うか | 主張の順番が合わない |
| 入力資料 | 既存PowerPoint、原稿、事例、数値の有無 | 原稿作成費が追加される |
| 制作範囲 | 調査、台割、文章、図解、デザイン、校正 | 見た目しか変わらない |
| ページ数 | 表紙や目次、付録を数えるか | 単価比較を誤る |
| 修正 | 何回、どの段階、どの種類まで含むか | 社内承認後に追加費が出る |
| 納品形式 | 編集可能なファイル、PDF、フォント、図表 | 社内で更新できない |
| 機密情報 | NDA、共有先、保管、削除方法 | 顧客情報の扱いが曖昧になる |
| 納期 | 初稿日、社内確認日、最終納品日 | 商談日に間に合わない |
依頼条件書に書くべき情報
資料の用途、対象顧客、伝えたい中心メッセージ、想定ページ数、使える材料、参考資料、編集希望形式、公開・利用範囲、予算、納期を記載します。競合の資料を参考にする場合でも、その表現やデザインをそのまま模倣する依頼は避けます。参考にしたいのが情報量なのか、図解の分かりやすさなのか、具体的に伝えてください。
役割分担と承認者を決める
営業責任者、製品担当、法務、デザイン担当がそれぞれ修正を出すと、意見が矛盾することがあります。最終承認者と集約窓口を置き、事実確認と好みの修正を分けて伝えます。営業の現場で使う資料なら、実際に商談で説明する担当者を初期ヒアリングから参加させると、完成後の使いにくさを減らせます。
追加費用が出る場面を具体的に聞く
ページを5枚追加する、原稿が未完成のまま着手する、初稿後に訴求を変更する、別業種向けの版を作る、商談日が前倒しになる、といったケースを各社に示します。「別途お見積もり」という回答でも、どう計算するか、事前承認が必要かを確認します。追加費の境界がはっきりした見積もりのほうが、結果的に予算管理しやすくなります。
提案の質を金額以外で評価する
見積書に資料の目的をどう理解したか、構成案をどう検証するか、営業現場へどう引き継ぐかが書かれているか確認します。制作実績の美しさだけでは、自社の商談へ適用できるか分かりません。担当者本人がヒアリングに出るか、社内の制作担当への伝言だけになるかも品質に関わります。サンプルの台割や図解を見せてもらうと、判断が具体化します。
公平な比較の出発点は同じ条件書です。見積もり総額とともに、含まれる作業、修正、更新性を1行ずつ照合します。
制作会社を選ぶ基準と公式サービス比較

外注先は、スライドの装飾が得意な会社、構成・原稿から支援する会社、営業現場の運用まで扱う会社などに分かれます。自社が不足している能力と、必要な成果物から選びます。以下は各社の公式ページを2026年9月22日に確認した比較です。価格や条件は変更される可能性があり、掲載順は優劣を示しません。
| 会社・サービス | 公開情報に基づく特徴 | 料金または確認先 | 向いている依頼 | 公式URL |
|---|---|---|---|---|
| c-slide | 営業資料の構成・デザイン、1枚単位のプランを案内 | 公式ページで1枚5,000円〜等を掲載。条件要確認 | 原稿や既存資料があり、ページ単位で依頼したい企業 | 公式 |
| サイトエンジン | 企画構成・ライティング・ページ制作を項目別に案内 | 通常制作の最低発注額30万円〜。詳細は公式確認 | 構成や文章から依頼したい企業 | 公式 |
| ferretソリューション | 骨子・原稿・デザイン込みの営業資料を案内 | 15ページの基本条件で30万円/本〜。超過分は確認 | BtoBサービスの基幹資料を1本作りたい企業 | 公式 |
| AWANA Creative Desk | 既存資料の整形から構成整理まで小規模依頼に対応 | 新規作成3万円〜等を公式掲載。正式見積は個別 | まず1本試したい企業 | 公式 |
自社に合うポートフォリオを見る
大きな文字や美しい写真の表紙だけで判断せず、複雑な情報をどう説明しているか見ます。業務フロー、費用比較、導入前後、実績の条件を、読者が短時間で理解できるかが重要です。公開事例が少ない会社は、守秘義務で顧客名を出せない可能性もあります。制作の考え方や匿名の作例を確認してください。
営業理解とデザイン力を分けて評価する
商談で資料をどのタイミングで見せるか、顧客がどんな質問をするかを聞く会社なら、提案の順番を設計しやすくなります。一方、営業戦略の提案が上手でも、最終資料の文字サイズや更新性が弱い場合があります。ヒアリング担当とデザイナーの役割、レビュー体制を確認します。資料制作は営業活動全体の一部です。SalesforceのSales Enablement解説も、顧客事例、製品資料、比較情報など、営業の場面に応じたコンテンツを組み合わせることを説明しています。
納品後の自走を考える
価格や機能が頻繁に変わるサービスなら、編集可能な元データ、テンプレート、図表の作成ルールが必要です。制作会社が追加更新を有償で引き受けるのか、社内で変更できるのかを決めます。資料を使う現場からの修正提案が届かないと、完成後すぐに古くなります。変更依頼の窓口と、最新版の保管場所も決めてください。
情報管理と権利を確認する
提案書には顧客の課題、価格、未公開の製品計画などが含まれます。NDA、共有先、外部サービスへの入力、納品後の保管・削除方法を確認します。写真やイラストの利用許諾、フォントのライセンス、別資料への二次利用ができるかも重要です。著作権の扱いは契約ごとに異なるため、完成後に想定外の制限が残らないよう書面で整理します。
依頼先は「見た目の上手さ」に加え、顧客理解、構成力、運用しやすい納品、情報管理まで評価して選びます。
商談で使える資料の設計手順

制作を外注しても、読者が何を判断する資料か曖昧なら、完成したスライドは一般的な会社紹介になります。商談段階を決め、顧客の疑問に答える順で構成します。以下の手順は新規資料だけでなく、既存資料の改修にも使えます。
読み手と利用場面を決める
初回接触で送る資料、オンライン商談で説明する資料、決裁者へ転送される資料では必要な説明量が違います。口頭説明を前提とするなら図と要点を主にし、単独で読むなら前提条件や補足を入れます。複数の場面を1本で兼ねる場合、冒頭の共通部分と詳細付録を分けると使いやすくなります。ページ数を先に固定しすぎず、目的から必要な情報を選びます。
顧客課題を事実で確かめる
顧客業界の一般論をそのまま提案先の課題として断定しないでください。ヒアリング内容、公開情報、過去の商談記録から、相手が実際に困っている点を整理します。未確認の仮説は「想定される論点」と示し、確定情報と区別します。課題が違えば提案すべき解決策も変わるため、資料の出発点を自社サービスの機能一覧にしないことが重要です。
解決策は工程と責任者まで見せる
「売上向上を支援します」ではなく、どの業務を誰がいつ実施し、顧客側に何を依頼するかを示します。導入ステップ、必要なデータ、稼働開始の条件、成果の確認方法を図解します。成果が出るまでの期間に幅があるなら、その理由も説明します。できないことや対象外の作業も示すほうが、受注後の認識違いを減らせます。
証拠と費用を提案に対応させる
導入事例や実績は、提案内容と関連するものを選びます。数値には期間と測定方法を示し、成果を保証する表現へ変えないでください。費用ページでは、初期費、月額、外部サービス費、追加条件、契約期間を分けます。顧客が比較表へ転記しやすい粒度にすると、稟議が進みやすくなります。料金が個別見積なら、変動要因と見積もりに必要な情報を示します。
最後に次の行動を置く
資料の末尾には、承認してほしい事項、次回打ち合わせで決めること、必要な情報、連絡先を明記します。すぐ契約を求める前に、試算の確認や小さな検証が必要な場合もあります。相手の意思決定に合う次の行動を設計してください。複数部署が関わるなら、誰が何を確認するかの表を付ける方法もあります。
営業資料は「自社が話したい順番」ではなく、「顧客が判断する順番」で構成します。
発注から納品までの進め方と失敗防止

制作会社を決めた後も、ヒアリング、台割、初稿、確認、納品という各段階で社内の協力が必要です。完成直前に方針を変えると費用と納期の両方に影響します。修正を減らすのではなく、決めるべきことを早い段階で決める運用にします。
1. 材料を棚卸しする
既存資料、事例、料金表、製品仕様、営業トーク、よくある質問、ブランド規定を集めます。どれが最新版か分からなければ、担当者が確認してから渡してください。競合の資料をそのまま制作指示へ添付するのではなく、参考にする目的を説明します。顧客の情報を含むファイルは、必要部分だけを共有し、アクセス権を限定します。
2. ヒアリングと台割で筋道を合意する
制作側のヒアリングには、営業責任者だけでなく、実際の商談担当やサービス責任者も参加します。誰が最終的に使い、どの質問を受けるかを伝えます。台割は、各ページの役割、主見出し、図の方向を並べた設計図です。この段階で論点と順番を確認し、デザイン着手後の大幅変更を減らします。
3. 初稿は内容と視認性を別々に見る
文章の事実、提案の論理、料金条件、図の意味を先に確認し、色や余白の好みは次に整理します。指摘を一つのファイルに集約し、相反する依頼を解消してから制作側へ渡します。「もっと魅力的に」のような抽象的な修正ではなく、どの読者が何を理解できないかを伝えると改善しやすくなります。重要な数字は元データと照合してください。
4. テスト商談で使ってみる
可能なら納品前に実際の商談に近い状況で説明します。どのページで説明が止まったか、顧客が質問したこと、資料を見せずに口頭で補った内容を記録します。資料の目的はデザイナーの発表会ではなく、顧客との対話を支えることです。テストで見つかった修正が契約内か、追加費用がかかるかも確認します。
5. 納品形式と最新版の管理を決める
PowerPointやGoogleスライドなどの編集元、PDF、フォントや画像の利用条件、テンプレート、図表データを受け取ります。営業チームが古いファイルを使わないよう、保存先と命名規則を決めます。営業担当ごとに価格ページを勝手に変更する運用は、誤案内の原因になります。変更可能な領域と承認が必要な領域を分けてください。
避けたい失敗を初回に共有する
過去の提案で、機能一覧から始めて顧客の課題に入る前に時間がなくなった、事例の数字が古かった、価格の条件が説明不足だった、資料は美しいのに社内更新できなかった、といった失敗を共有します。制作側が実態を知らなければ、見た目を整える以上の支援ができません。失敗は担当者の責任としてではなく、資料と運用の課題として扱います。
制作の手戻りを減らす鍵は、初稿の修正回数を制限することではなく、台割の段階で目的と主張を合意することです。
完成後に成果を測り、資料を更新する方法

納品した資料が営業チームに使われなければ、制作費は活きません。さらに、使われても商談に役立っていなければ改善が必要です。閲覧数だけでなく、現場での使われ方と顧客の反応を継続して確認します。
利用率と利用場面を記録する
営業担当の何人が、どの商談段階で資料を使ったかを確認します。使われない理由が「探せない」「ページが多い」「顧客ごとに編集しにくい」なら、内容以前の運用問題です。営業システムや共有フォルダへ最新版を置き、初回研修で使い方を示します。閲覧ログが取れるツールを導入しても、営業担当が別ファイルを送っていれば数字は正しくありません。
顧客の質問を改善の材料にする
商談後に、顧客が質問したページ、理解が進んだ説明、口頭で補った条件を短く記録します。複数の営業担当で同じ質問が繰り返されるなら、資料に説明が不足している可能性があります。逆に説明していないページは削除できるかもしれません。営業の会話を妨げるほど細かい情報は付録へ移します。
商談指標と資料の変更を結び付ける
次回面談率、見積もり依頼率、失注理由、受注率などを確認します。ただし資料以外に、提案先の質、価格、担当者、時期が影響します。「資料を変えたから受注率が上がった」と早急に断定せず、同じ種類の案件で前後を比較し、顧客の反応も合わせて見ます。統計的な比較が難しい少数案件では、具体的な商談事例から改善仮説を立てるほうが現実的です。
更新責任者と周期を決める
価格、サービス範囲、導入事例、担当者、規約など、変更が起きたときに誰が更新を申請するかを決めます。定期的に全ページを見直す日も設定します。外注先に継続更新を任せる場合は、月額費の対象、対応までの日数、編集元データの扱いを契約へ入れます。営業資料は作って終わりではなく、事業の変化に合わせて育てる資産です。
資料以外の営業課題も見分ける
資料の改善で解決できるのは、説明が伝わらない、比較材料が不足する、担当者ごとの説明がばらつくといった問題です。対象顧客が違う、初回接触が遅い、価格が市場と合わないといった課題は、資料だけでは解消しません。営業プロセス全体のどこに詰まりがあるかを確認し、資料制作を他の施策と組み合わせてください。インサイドセールス代行の費用では、商談前の運用体制を比較する方法も解説しています。
資料の成功は納品枚数では測れません。営業現場で使われ、顧客の判断に役立ち、更新できるかで評価します。
よくある質問
営業資料の外注費は1枚いくらですか?
公開価格は各社で異なり、既存資料の整形と、構成・原稿を含む新規制作では条件が違います。ページ単価を比べる際は、最低発注額、図解費、修正、納品形式を含めた総額を確認してください。この記事の比較表は各社の公式ページへのリンクを掲載しています。
原稿が未完成でも依頼できますか?
構成や原稿から対応する会社なら依頼できます。ただし、製品の事実、顧客事例の許可、提案条件は社内で確認する必要があります。原稿支給を前提とした見積もりより費用と期間が増える可能性があります。
既存のPowerPointをきれいにするだけでも効果がありますか?
可読性やブランドの統一には効果が期待できます。ただし、提案の順番や主張が顧客の判断に合っていなければ、見た目の改善だけでは限界があります。先に現場で使いにくい点を聞き、整形で足りるか、構成から直すか決めてください。
顧客ごとの提案書も外注できますか?
対応する会社はあります。ただし、顧客情報、納期、社内承認、機密管理を明確にする必要があります。共通部分をテンプレート化し、個別部分だけを制作する方法もあります。急ぎの案件では特急料金や確認時間の不足に注意してください。
納品後に自社で編集できますか?
編集可能なPowerPointやGoogleスライド等の納品を契約へ含めれば可能です。PDFだけの場合は編集が難しくなります。フォント、図解、写真の権利と、別資料への流用範囲も確認してください。
依頼先は何社比較すべきですか?
一律の正解はありません。同じ依頼条件書を渡し、価格だけでなく構成案、担当体制、修正条件、納品形式を比較できる数に絞ります。比較先を増やしすぎて判断が遅れるより、自社の目的に合う会社を選ぶことが重要です。
まとめ
営業資料・提案書の外注費は、枚数よりも依頼範囲で大きく変わります。既存資料の整形、構成・原稿からの制作、継続運用を分け、同じ条件で総額を比較してください。公式の公開価格は各サービス固有の条件を表すもので、市場全体の平均ではありません。納品後に営業が使い、更新できる状態まで含めて依頼先を選ぶと、資料制作を単発のデザイン作業ではなく、商談の質を高める投資として扱えます。
営業の達人に相談する

営業の達人では、資料の構成だけでなく、提案先の課題、商談の進め方、資料を使う営業体制まで整理します。「既存資料が長すぎる」「担当者によって提案品質が違う」「外注する範囲が決められない」といった段階からご相談いただけます。まずは無料相談ページをご覧ください。
参考・出典
- c-slide|営業資料作成代行サービス(確認日:2026年9月22日)
- サイトエンジン|営業資料制作代行サービス(確認日:2026年9月22日)
- ferretソリューション|営業・サービス資料の作成代行(確認日:2026年9月22日)
- AWANA Creative Desk|営業資料作成代行(確認日:2026年9月22日)
- Salesforce|What is Sales Enablement?(確認日:2026年9月22日)


